日本人、全都道府県で減少 調査開始後初、計80万人https://news.yahoo.co.jp/pickup/6470412
日本の2023年1月1日時点の人口動態が発表になった。ネット上では、政府の対応が悪い、経済状況のせいだなどという声が溢れている。
速報値としてすでに発表があったので内容としてはわかっていたが、今回の内容の概要は以下の通りだ。
・「日本人」は800, 523人減少し、1億2,242万3, 038人
・「外国人」の(住民票がある)住民は、28万9494人増加し、299万3,839人
・総計では、約51万人減少し、1億2541万人
日本人の人口は14年連続で減少しているという。一方、外国人住民の数は過去最高になった。増加率も前年比で10%だ。
また今回の統計の特徴は他にもいくつかある。都道府県別の統計で、全ての地域で日本人の住人が減った。東京都と沖縄は、従来は人口流出などで人口が増加していたが、これらの地域でも人口が減少したことになる。最も人口の自然減(死亡数-出生数)が少ない沖縄県でも1366人の減少となった。
東京だけでなく、東京圏、名古屋圏、関西圏の大都市圏で人口が減少している。都市部だけでなく、市町村部でも人口は減少しており、市区部では0.35%の人口減少、町村部では1.06%の人口減少だ。
ざっくり見ると、日本人は特に地方で人口減少が加速しているが、すべての地域で減少。一部の地域では、外国人の転入で人口が増加している地域もある。ということになる。
日本の進む方向は
人口を増加させる方法は主に2つある。出生数の増加と、外国人の転入増加だ。
出生数の増加では、政府も対策を考えているようだが、他の先進国の事例を見ると、効果は余り期待できないし、もし効果があったとしても、人口減少を止めるには至らないだろう。
外国人の転出増加も多くの問題があるうえに、転入者の経済的にメリットが乏しく、それほど多くはならないだろう。
とすると、基本的には人口の減少を止めることはできないが、それをカバーすることはできる。テクノロジーによってだ。
まず、物流の多くは、自動運転がカバーすることになるだろう。2024年問題と合わせて、この議論は確実に進むはずだ。もし、自動運転が普及できなかったら、タクシーも崩壊寸前の今、車による移動手段は大幅に減ることになる。
医療でもAIなどによる自動化が期待される。簡単な診断や処置はAIに頼ったり、チャットボットなどに依存せざるを得なくなるだろうし、技術的にもできるようになるだろう。ただし個人を特定する手段として、マイナンバーの普及は必要不可欠になるだろう。
よく言われるようにホワイトカラーの仕事、例えば、薬剤師、税理士、弁護士などの仕事もAIに代替されることになるだろう。仕事を奪われる、という論調で語られることが多いが、人口の減少によって、AIの手助けなしには業務が維持できないということになりそうだ。
世界に先駆けて、これらの領域にAIを導入すれば、生産性も向上し、日本の競争力も上がるだろう。
人口の減少には課題も多い。しかし、世界で最も高齢化が進み、少子化も進んでいる日本は、チャンスと捉えることもできるのではないだろうか。