ChatGPT
10年以内に生活を変える度 ★★★★☆
技術の確実性 ★★★★★
生活への影響度 ★★★★★
未来を予測する上で、技術は最も重要なものの一つです。(ほかは人口と経済)
馬車から自動車に、電報から電話に変化したのも当時は、大きな変化だったでしょう。しかし、ケイタイからスマホに変化したのはたった10年の出来事でした。そしてAIは間違いなく、世界を変える技術の一つになるはずです。
ChatGPTを始めとするAI技術、特に自然言語処理を得意とするAIは、これから確実に世界を変えるはずです。技術の良し悪しだけでなく、普及のスピードが著しく早いからです。
2022年11月30日に公開されたChatGPTは、3ヶ月に満たない1月末に登録者数が1億人、ユニークビジター数が1300万人と推定されました。
ChatGPT, the popular chatbot from OpenAI, is estimated to have reached 100 million monthly active users in January, just two months after launch, making it the fastest-growing consumer application in history, according to a UBS study on Wednesday.
https://www.reuters.com/technology/chatgpt-sets-record-fastest-growing-user-base-analyst-note-2023-02-01/
この登録者数の増加は、インターネットサービスでは過去最速と言われています。
技術が生活を変えるためには、まず「普及」することが必要です。そして、普及のスピードは歴史的に見て、どんどん早くなってきています。2013年にHarvard Business Review誌に発表された論文“The Pace of Technology Adoption is Speeding Up”では、過去100年間での技術の普及スピードを分析しています。
技術が10%普及するのに、電気では30年、電話では25年かかっています。しかし、スマートフォンの時代では、10年間で40%もの普及です。この分析は、2つのことを示唆しています。
- 1. 普及のスピードが早いと生活へのインパクトも大きい
- 2. 普及のスピードがどんどん早くなる
ChatGPTは、1. の条件を満たしています。開発元であるOpenAIへの登録だけでなくMicrosoftとの連携による間接的な利用もあり、一気に普及しています。素早い普及は、生活を変える要素になります。類似の対話型自然言語処理AIを含めて考えると、より高い普及率=生活へのインパクトがあると考えていいでしょう。
それだけでなく、普及のスピードがどんどん早くなることで、それを受け入れる人間に素早い対応を迫っています。ChatGPTを賢く使えるかどうかは、プログラミングだけでなく、多くの調査など、仕事の上ではすでに大きな差別化要因となっています。使いこなせるかどうかが、仕事の評価を分けることになります。発表からたった数ヶ月でこの状況になるとは予想していませんでしたが、「対応せざるを得ない」という状況にあることは間違いないでしょう。
どれだけ早く新しい技術を見つけ、それを使いこなす能力を得るかが、今、求められています。